離婚請求

浮気をして愛人をつくった配偶者からの離婚請求は認められるのか。

○有責配偶者からの離婚請求は難しい
婚姻が完全に破綻してしまったことは、離婚原因となりますが
破綻の原因を作り出した当の本人(有責配偶者)から、
夫婦関係が破綻してしまっている事を理由に
離婚を請求できるかは問題です。
このような実例は裁判に数多く現われていますが、
裁判所はこれまで、たとえ夫婦関係が完全に破綻し
回復の見込みが無い場合であっても、その破綻原因をつくった
有責配偶者からの離婚請求を認めてきませんでした。
これを認めれば愛人を作るという不正義に法が手を貸すことになり
道徳を守り不徳義を許さないほうの職分に反するというわけです。

○離婚が認められてきた場合
裁判所は次のような場合に例外的に離婚請求を認めてきました。
①破綻後の有責行為
別居が長期に渡り、夫婦関係が破綻した後に
異性と同居を始めた場合です。
有責配偶者の離婚請求を裁判所が許さないのは
破綻原因をつくった当事者の身勝手を許さないというわけですから、
破綻原因と関係の無い不貞行為があっても
離婚請求を拒否することはないというわけです。

②双方有責の場合
夫婦関係の破綻の原因がどちらにあるか、責任がどちらにあるか
いちがいに言えないケースがあります。
「どっちもどっち」という場合です。
この場合、相手方の責任のほうが大きいときはもちろん
それが同程度でそちらの方が責任が大きいといえない場合にも
夫婦関係が破綻していれば離婚は認められます。

 

カテゴリー: 離婚問題 パーマリンク

コメントを残す